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実験記録12銘柄記事13本配分は2026-08-11時点

MELI

手数料を下げて、シェアを買う

MercadoLibreの第2四半期は、どこを切っても好調だった。そのなかで一番重要なのは、4月に手数料を下げた、という一行だと思う。

4月に、何をしたか

同社が8月5日にSECへ提出した8-Kのなかに、短く書かれている。4月から買い手にはPIX決済の割引を、売り手には一部のカテゴリと価格帯で手数料の割引を導入した。条件は、その出品が競争力のある価格であること。

安く売る出品者には、場所代を安くする。

効果は出ている。同日の決算発表によれば、金融収益を含む売上は前年同期比50%増の102億ドル、為替中立で43%増。30四半期連続で30%を超える成長であり、4年ぶりの伸び率だった。ブラジルのGMVは為替中立で39%増、販売点数は56%増。アクティブな出品者は29%増え、買い手は8,930万人で26%増えている。

同時に、営業利益率は6.7%まで落ちた。前年同期比で550ベーシスポイントの低下だ。CFOのMartin de los Santosは決算説明会で、この低下を配送・品揃え・カード・越境取引・MELI+への投資に帰し、信用事業の収益改善がブラジルの手数料引き下げやPIX割引を相殺したと説明している。CEOのAriel Szarfsztejnは、手数料を下げたことで有力な出品者の増加が加速したと述べた。

数字は全部、同じ方向を指している。市場シェアは、買っている。

【関所と参戦者】

このポートフォリオで銘柄を見るとき、最初に一つだけ判定することがある。通行料を取る側か、支払う側か。

通行料を取る側——ここでは関所と呼んでいる——は、誰が勝っても料金所を通らざるを得ない位置にいる企業のことだ。半導体の争いで最後に誰が勝つかは分からないが、その全員がTSMCの工場を通る。勝者を当てなくてよい。当てなくてよい、というのが唯一の取り柄である。

ラテンアメリカのEC市場で、MercadoLibreはその位置にいない。Amazon、Shopee、Sheinと同じ土俵で殴り合っている参戦者だ。参戦者は勝てる。実際、勝っている。ただ、勝ち方が違う。関所は値上げしても客が減らないことで勝ち、参戦者は値下げして客を増やすことで勝つ。

4月の手数料割引は、その違いを、これ以上ないほど正確に見せてくれた。

誰と比べるか

12の枠は役割で分けてある。AIの関所、電力の供給側、需要を作る側、そしてAIの当たり外れと相関しない収益の柱。MercadoLibreを検討するとしたら、最後の枠だ。ラテンアメリカの消費と与信は、AI投資が続こうと止まろうと動いている。

そこに今いるのは、TransDigmやS&P Globalのような会社だ。TransDigmは自社しか作っていない航空部品を持ち、S&P Globalは債券を発行するなら通らざるを得ない格付けと、運用業界が使い続ける指数を持っている。どちらも、値段を上げても客が減りにくい。

同じ枠に入るなら、MercadoLibreにも同じ問いが向く。値段を上げても、客は減らないか。

今のところ、その問いに答えるためのデータがない。会社が自分から値段を下げているからだ。

貸している会社

もう一つ、この会社を測りにくくしているものがある。

信用ポートフォリオは164億ドルで、前年同期比75%増。クレジットカード残高は77億ドルの91%増。四半期で21億ドルを与信に投じ、4億4,100万ドルの設備投資を吸収したあとの調整後フリーキャッシュフローは2億1,400万ドルだった。15〜90日の延滞率は全体で7.0%、カードで4.6%。フィンテック責任者のOsvaldo Giménezは決算説明会で、ブラジルの信用状況に悪化の兆候はないと述べている。

延滞率が低いこと自体は良い。ただ、75%で膨らんでいる貸出簿の延滞率が低いのは、ある程度は当たり前でもある。分母が新しい。

正直に書いておくと、この会社に対して有効な売却条件を書ける自信がない。ECの競争は観察できる。与信サイクルは観察が遅れる。数字に出てくるころには、たいてい終わっている。

11月4日に、何を見るか

次のQ3決算を、判定日にしてある。見るのは一つ、手数料の方向だ。

4月に入れた割引が、どこかで戻るのか、それとも恒久的な価格になるのか。戻せて、しかもシェアが落ちないなら、この会社は通行料を取る側へ近づいたことになる。戻せないなら、永遠に殴り合いを続ける強い参戦者ということになる。

強い参戦者を持ってはいけない理由はない。ただ、それはこのポートフォリオがやろうとしていることではなかった。

枠は、いまのところ空いていない。MercadoLibreはずっと、隣で待っている。決算のたびに、少しずつ強くなりながら。