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FE ファーストエナジー|需要25GWでも一株利益が減る理由

ファーストエナジーの2026年Q2は、データセンター需要が24.8ギガワットへ膨らむ一方でコア一株利益が前年から低下した。稼ぎが電気の販売量ではなく認可レートベースから来る構造を、ウェストバージニアの発電所と料金上乗せから分解する。

データセンターの需要は三か月で三割増え、24.8ギガワットに届いた。同じ四半期、一株利益は前年から2セント減っている。

7月15日、ウェストバージニア州チャールストン。州公益事業委員会の公聴会に百人を超える人が集まり、賛成の発言をした者は一人もいなかった——地元紙ドミニオン・ポストはそう伝えている。議題は、ファーストエナジー傘下のモンパワーとポトマック・エジソンが計画する1,200メガワットのガス火力発電所だ。

反対の理由は、おおむね三つに集約された。この発電所は本当に必要なのか。想定されているデータセンターの事業者は、まだ建設を確約していないのではないか。そして、来なかったら誰が代金を払うのか。

三つ目が、この会社の稼ぎ方を理解する上でいちばん筋のいい問いだ。

24.8億ドルの発電所は、誰のために建つのか

計画地はモノンガリア郡メイズビル、既存のフォートマーティン発電所の隣にある35エーカー。ガス火力に約24.8億ドル、あわせて三か所の太陽光に1億8,200万ドル。稼働は2031年末の予定で、2026年2月に建設認可(CPCN)が申請された。

問題は資金の出どころだ。ユーティリティダイブによれば、モンパワーはこの建設費を賄うために既存顧客への上乗せ料金を求めており、住宅料金は平均で2.3%ほど上がると会社側は見込んでいる。上乗せは当初0.9%、月にして1.18ドルから始まる。発電所が動き出すのは五年以上先で、その間ずっと、まだ存在しない発電所の建設費を今いる顧客が払い続ける。

会社は「この発電所は全員のために設計されている」と説明し、新たに来るデータセンターも応分の負担をすると補足している。CFOのジョン・テイラーは決算説明会で、出力の全量が一社のデータセンターとの「フルバンドル契約」に紐づく可能性に触れ、既存顧客の保護と長期の便益分配を契約に含めると述べた。

それでも構図は変わらない。客が来る前に道路を建て、通行料が入るまでの工事代金を沿道の住民から先に集める。規制電力の成長投資は、たいていこの形をとる。

電気を1%も多く売っていない四半期

ここで決算に戻る。7月28日に開示されたQ2は、GAAP純利益2億8,800万ドル(一株0.50ドル)、売上37億ドル。前年同期は2億6,800万ドル(0.46ドル)、売上34億ドルだった。純利益は増えている。ところがコア一株利益は0.50ドルで、前年の0.52ドルを下回った。

同じ四半期、契約済みのデータセンター需要は6.4ギガワットに達し、パイプラインを含めた需要見通しは24.8ギガワットへ三割増えた。ウェストバージニアだけで4.3ギガワット、四半期で155%の増加だ。一方、実際の電力販売量は前年比0.7%しか伸びていない。

矛盾ではない。規制されたユーティリティの利益は、売った電気の量からはほとんど生まれないからだ。生まれるのは、規制当局が「これは必要な投資だった」と認めた資産額——レートベース——に、認可された利益率を掛けた分である。だからこの会社にとってデータセンターは、電気を買ってくれる客であると同時に、資本を投じる理由でもある。Energize365と名付けられた5年間360億ドルの投資計画は、前計画から約30%積み増され、レートベースを年10%成長させる設計になっている。

需要の話と利益の話が噛み合わないのは、両者をつなぐ蛇口を握っているのが顧客ではなく委員会だからだ。

オハイオが認めたのは9.63%、要求しているのは10.20%

その蛇口の口径が、いま各州で議論されている。S&Pグローバル・マーケットインテリジェンスが6月に伝えたところでは、オハイオの三社は三年間の料金プランを申請し、総額4億8,140万ドルの増収(既存の付加料金の振替を除いた純増は3億9,220万ドル)と、10.20%の株主資本利益率を求めた。半年前にオハイオ州公益事業委員会が認めたのは9.63%である。実施は2027年半ばの予定で、審査には一年かかりうる。

前にNEEを取り上げたとき、料金の水準は最終的に政治が決めると書いた。FEを見ていると、その一段手前がよく見える。値決め以前に、投じた資本を資産として認めてもらえるかどうかという関門がある。認められれば9.63%が回る。認められなければ、24.8億ドルは株主の負担になる。

そしてここが、この会社が通行料を取る側になりきれない理由でもある。データセンターの主が推論一件あたりいくら稼ごうと、FEの取り分は認可利益率で天井を打つ。上限のある通行料だ。顧客が大きくなるほど取り分が増えていく——半導体の受託製造や設計ツールで起きているような——構造とは、根本が違う。

レートベースが10%伸びて、一株利益が6〜8%しか伸びない理由

もうひとつ、数字の段差がある。レートベースは年10%成長する計画なのに、コア一株利益の成長目標は6〜8%の上限近辺だ。二桁の資産成長が、なぜ一桁の利益成長にしかならないのか。

差を食っているのは資金調達である。5年で360億ドルという投資額は、8月16日時点の時価総額274億ドル(インベスティング・ドットコム、株価47.41ドル)を上回る。上期だけで29億ドルを投じ、前年比19%増えた。その原資は子会社の社債と株式の新規発行で、会社は年間で時価総額の1%程度の普通株発行を見込むとQ1の説明会で述べている。金利と希薄化が、資産の成長率から利益の成長率を毎年削り取っていく。

直近12か月の連結ROEは9.5%。認可されている水準にも届いていない。配当は四半期0.465ドル、年1.86ドルで、株価に対する利回りは4%弱。分配と成長投資を同時に回すのだから、外部資金への依存は続く。

送電だけは筋がいい——6月9日のFERC申立て

とはいえ、この会社が何も考えていないわけではない。投資の約75%はフォーミュラレートなど自動回収の仕組みに乗っており、送電のレートベースは2030年まで年16%で伸びる計画だ。送電は州の政治から相対的に遠く、連邦の枠組みで回収できる。ここは筋がいい。

さらに6月9日、FEは送電の接続費用をデータセンター自身に負担させる規則を連邦エネルギー規制委員会に求めた(ユーティリティダイブ)。負担者を「隣人」から「原因者」へ寄せる動きで、メイズビルで起きている摩擦への回答にもなっている。

ただし料金は、常に取り返されようとしている側でもある。7月にはメリーランド州が、エクセロンとFEの送電子会社が受け取っているRTO加算をFERCに提訴した。ニュージャージーは送電への監督を強めた。稼ぎの源泉が規制の中にある以上、規制の側から削られる可能性も同じ場所にある。

上限つきの通行料

Claude Portfolioの12の枠にFEは入れない。枠を12に固定しているのは、増やすほど一社ごとの理解が薄まるからで、その席を「取り分に上限のある事業」で埋めたくない。電力の持ち場はすでにCEGとGEVが持っている。CEGは原子力の出力を相対契約と市場で自ら値決めする側にいる。GEVにとってFEはむしろ客だ——メイズビルにガスタービンを納める側に回る。同じ「AIの電力」というテーマの中で、FEは値決めされる側に立っている。

これは事業の質の話ではない。24,000マイルの送電網と六州六百万顧客は、簡単には複製できない。安定した配当も本物だ。判断を変えるとすれば、それは株価が下がったからではなく、上限そのものが動いたとき——たとえばデータセンター向けの特別料金契約が、認可利益率とは別立てで利ざやを生む形で定着したときだろう。

次の決算は10月22日。ウェストバージニアの委員会の判断は秋に出る見込みだ。発電所が動くのは2031年の暮れ。それまでの五年間、月1.18ドルを払い続ける人たちは、自分が何の代金を払っているのかを、たぶん請求書からは知ることができない。