AAOI アプライドオプト|Amazonワラントが削る取り分
アプライド・オプトエレクトロニクスの2026年第2四半期決算を、Amazonに発行されたワラントの側から読む。売上86%増の裏で、上期は8,480万ドルの売上から210万ドルが差し引かれ、希薄化後株数は42%増えていた。
行使価格23.6956ドル。株価149.93ドル。この差額を受け取るのは、この会社の株主ではない。
八月六日に出たアプライド・オプトエレクトロニクスの決算は、見た目だけなら文句のつけようがない。売上1億9,190万ドル、前年同期比86%増、前四半期比27%増。五期連続の過去最高。800G製品の出荷数量は四半期で倍以上になり、第3四半期の売上見通しは2億5,500万〜2億9,000万ドル、中間値で前四半期比42%増だ。株価は八月十四日終値で149.93ドル、時価総額はおよそ127億ドル。52週安値は18.50ドルだった。
それでも私はこの会社を持たない。理由は成長率ではない。四半期報告書の、売上高の行に置かれた引き算にある。
8,480万ドルの売上から、210万ドルが引かれた
米証券取引委員会に提出された四半期報告書によれば、同社はAmazonの子会社に対し、行使価格23.6956ドルで最大794万5,399株を取得できるワラントを発行している。そして今年上半期、このワラントに紐づく顧客契約に関連する8,480万ドルの売上に対して、210万ドルの減額を計上した。
売れば売るほど、売上が削られる。
八月上旬にこの会社を検討したとき、私は「Amazonとの40億ドル契約」という触れ込みが実際には確定契約ではなくワラントである、と書いた。あのときは注記の話だった。今回それは、損益計算書のいちばん上の行に現れる数字になった。
通行料を取る側の企業か、払う側の企業か。私はこの一点で銘柄を分ける。判定に使えるいちばん率直な材料は、顧客の成功に対するコールオプションを誰が持っているかだ。この会社の場合、それを持っているのはAmazonである。株価が150ドルになろうが300ドルになろうが、行使価格は23.6956ドルのまま動かない。上値の一部は、契約が結ばれた時点で顧客のものとして切り分けられている。
粗利率29.8%は、値段を決められない側の数字だ
第2四半期の非GAAP粗利率は29.8%。前年同期の30.4%から下がった。GAAPベースでは27.7%。会社は第3四半期も29〜30.5%を見込んでおり、データセンター比率の上昇でむしろ短期的には逆風だと説明している。
記録的な売上を出しながら、利幅は薄くなる。これは需要が足りない会社の症状ではない。値段を自分で決められない会社の症状だ。
比較として、この市場の上のレイヤーにいる企業の粗利率は50%台から80%台に並ぶ。同じAI投資の波を受けていて、片方は利幅が広がり、片方は狭まる。波の大きさの問題ではなく、波のどこに立っているかの問題である。
「黒字転換」の中身は1,430万ドルの税務益だった
第2四半期の非GAAP純利益は550万ドル、1株あたり6セント。会社はこれを「非GAAP黒字への復帰」と呼んだ。前年同期は880万ドルの損失だったから、見出しとしては正しい。
ただし内訳を開くと、この非GAAP利益には1,430万ドルの税務関連の利益が含まれている。調整後EBITDAは50万ドルのマイナス。非GAAPの営業損失は1,030万ドルで、前年同期の730万ドルより広がっている。GAAPの純損失は2,280万ドルだ。
過去最高の売上を五期続けて、営業段階ではまだ利益が出ていない。規模が利幅を生む構造なら、この規模で兆しが見えていていいはずの時期である。
需要が能力を上回るのに、なぜ利幅は改善しないのか
創業者でCEOのトンプソン・リンは、需要が2027年半ばまで生産能力を上回り続けると述べている。CFOのステファン・マリーによれば月産能力は20万台に近づき、年末には65万台規模を見込む。売り手市場で、生産枠が足りない。
普通なら、これは値上げができる状態を意味する。しかし利幅は下がっている。
答えは同じ四半期のキャッシュフローに出ている。上半期の営業キャッシュフローは7,380万ドルのマイナス、投資活動は6億3,370万ドルのマイナス、そしてそれを財務活動の9億8,030万ドルで埋めている。生産枠が足りないから、枠を買っている。枠を買う金は事業からではなく、株式と転換社債から来ている。
その結果が、調整後利益の算定に使われる希薄化後株数の42%増だ。第2四半期は8,810万株、第3四半期の見通しは9,280万株。売上が86%伸びても、1株あたりの売上の伸びは31%程度になる。差の55ポイントは、成長を買うために発行した紙が持っていった。
生産能力の不足は、この業界では優位ではない。次の世代——400Gから800G、そして1.6テラビットへ——が来るたびに、能力は作り直しになる。作り直しの資金を株主から集め続ける限り、成長は株主の取り分に変換されない。
粗利率40%回帰が起きたら、この見方は崩れる
強気側の材料は本物である。インジウムリン基板とDSPの長期供給契約を押さえたことは、この業界では実質的な参入障壁になりうる。CATVは第2四半期に8,060万ドル、43.8%増と第二の柱として機能しており、DOCSIS 4.0への更新需要はAI投資とは連動しない。米国内での生産拡張は、部材の輸入規制が動く局面では効いてくる。会社は1.6テラビットとコパッケージド光学への移行によって非GAAP粗利率40%への回帰を目指すと明言している。
もしそれが実現し、同時に希薄化が止まり、営業キャッシュフローが黒字化したなら、私の見方は間違っていたことになる。三つが同時に起きたときだけ、この会社は通行料を払う側から取る側へ移ったと言える。
いま私が見ているのは、そうなる前の数字だ。売上は伸び、利幅は狭まり、株数は増え、上値の一部は顧客が保有している。
23.6956ドルという数字は、契約が結ばれた時点で決まった。その後に株価が何倍になっても、差額の行き先は変わらない。